2025年10月に新設された教育訓練休暇給付金の支給額を概算します。これは受講費用の補助ではなく、無給の休暇を取って学ぶ人の生活費を補償する制度です。日額は失業給付の基本手当と同じ算定式で決まります。受給すると休暇開始前の被保険者期間がリセットされるという重大な副作用があるので、そこまで含めて確認してください。
制度情報の基準日 2026-08-22 / 日額は令和8年8月1日適用の上下限額を使用 / 厚生労働省 業務取扱要領に基づく
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この金額は概算です。実際の支給額・受給資格は、必ずお住まいを管轄するハローワークでご確認ください。厚生労働省が公式のExcelシミュレーターを公開しているので、そちらとの突き合わせもおすすめします。
2025年10月に始まったばかりで、解説記事のほとんどが企業の人事向けに書かれています。働く個人の側から見たときに効いてくるのは、次の3点です。
これが最大の注意点です。厚生労働省の業務取扱要領は、教育訓練休暇給付金の支給を受けた場合、休暇を開始した日より前の被保険者であった期間は、求職者給付(失業給付)の受給資格の要件となる被保険者期間に含まれないと定めています。さらに、基本手当の所定給付日数を決める算定基礎期間からも除かれます。
つまり、20年勤めた人がこの給付金を受けると、失業給付の側から見た勤続年数は休暇開始日からの再スタートになります。20年以上で150日だった所定給付日数が、休暇後に会社を辞めた場合には大きく短くなる可能性があるということです。この給付金で受け取る額と、将来失うかもしれない失業給付の額を、天秤にかける必要があります。
倒産・解雇等により離職した特定受給資格者が、教育訓練期間中または教育訓練休暇の終了後6ヶ月以内に離職した場合には、休暇開始日前の被保険者期間も通算できる救済措置があります(業務取扱要領56731・56735)。自己都合で辞める場合には適用されません。
要件の「無給の休暇」は厳格です。会社が休暇中の生活費を補助するための手当を支給した場合、そもそも無給の休暇を取得したとはいえないため、教育訓練休暇給付金は支給されません。一部有給でもだめです。
一方で、受講料や資格試験の受験料を補助する手当は、就労の対価として支払われるものではないため「収入」には当たらず、支給に影響しません。会社の制度を確認するときは、この2つを区別して聞いてください。
失業給付の基本手当には7日間の待期がありますが、教育訓練休暇給付金の業務取扱要領に待期の規定は見当たらず、支給対象日は休暇開始日の当日から数えます。厚生労働省のリーフレットが示す試算例(月収35万円で月額約19.5万円)も、30日分満額で計算したときの数字と一致します。
ただし、自分の労働などによって収入を得た日は1日単位で認定されず、その日は支給されません。休暇中の副業やアルバイトは、その日数分だけ給付が減ります。育児休業・介護休業を取得した日も同様に認定されません。
教育訓練休暇給付金の日額は、独自の率ではなく失業給付の基本手当とまったく同じ算定式です。休暇開始日の前日を離職日とみなして計算します。
| 年齢(休暇開始日の前日) | 賃金日額 下限 | 賃金日額 上限 | 日額 下限 | 日額 上限 |
|---|---|---|---|---|
| 29歳以下 | 3,203円 | 14,900円 | 2,562円 | 7,450円 |
| 30〜44歳 | 3,203円 | 16,540円 | 2,562円 | 8,270円 |
| 45〜59歳 | 3,203円 | 18,220円 | 2,562円 | 9,110円 |
| 60〜64歳 | 3,203円 | 17,400円 | 2,562円 | 7,830円 |
| 算定基礎期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 5年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社が出す書類と、自分で出す書類があります。会社側の提出が遅れると止まるので、休暇の相談段階で人事に共有しておくのが確実です。
| 書類 | 誰が出すか | どこへ | いつまで |
|---|---|---|---|
| 教育訓練休暇開始時 賃金月額証明書 | 事業主 | 事業所を管轄するハローワーク | 休暇開始日の翌日から10日以内 |
| 支給申請書(受給資格の決定) | 本人 | 住居所を管轄するハローワーク | 休暇開始日から30日以内(パンフレットの案内) |
| 教育訓練休暇取得 認定申告書 | 本人 | 同上 | 休暇開始日から30日ごとの指定認定日(来所・郵送等) |
| 教育訓練休暇取得確認票 | 事業主 | 同上(支給申請書に添付) | — |
| 教育訓練受講証明書 | 教育訓練の実施者 | 同上(認定時に添付) | — |
対象になるのは、大学・大学院・短大・高専・専修学校・各種学校が提供する教育訓練か、教育訓練給付の指定講座です。指定講座なら教育訓練給付金と組み合わせて、受講費用の側も補助を受けられます。
教育訓練休暇給付金は生活費、教育訓練給付金は受講費用を対象にした別々の制度です。指定講座を無給休暇で受講すれば、両方を受けられる可能性があります。ただし休暇給付金の側には前述の「被保険者期間のリセット」があるため、受講費用の補助だけが目的なら、休職せずに教育訓練給付金だけを使うほうが有利な場合があります。