教育訓練給付は「指定講座であること」が要件です。検索システムに出てこない講座は対象外——そこで諦めた人が多いはずです。ところが雇用保険には、「一般教育訓練給付の対象講座として指定されていないこと」を要件にした制度があります。短期訓練受講費です。1か月未満で公的職業資格を目指す講座なら、経費の2割・上限10万円が戻り、教育訓練給付にある「4千円以下は不支給」の壁もありません。ただし受講前にハローワークの職業指導を受けていることが必要で、順番を間違えると使えません。
制度情報の基準日 2026-08-23 / 出典は厚生労働省 短期訓練受講費リーフレット(LL300228保01)・「移転費、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費について」
制度としては求職活動支援費の一種で、申請書の名前も「求職活動支援費(短期訓練受講費)支給申請書」です。教育訓練給付とは別の財布から出ます。
リーフレットの要件はこうです。
一般教育訓練給付の対象講座として指定されていないこと
教育訓練給付とは要件が裏返しになっています。講座検索システムで調べて「この講座は指定されていない」と分かったとき、そこで終わりではありません。1か月未満で公的職業資格を目指す講座なら、こちらの出口があります。
リーフレットには一般教育訓練給付の受給ができない方は「短期訓練受講費」の支給対象となりますという趣旨の記載もあります。指定講座であっても、支給要件期間が足りないなどで給付金を受けられない人は、こちらに回れる可能性があるということです。
教育訓練給付は3区分すべてで「支給額が4千円を超えない場合は支給されない」という下限があります。一般教育訓練は20%なので、経費2万円ちょうどの講座は4千円で、1円も出ません。
短期訓練受講費は「上限10万円、下限なし」です。経費が小さい講座ほど、こちらのほうが実際に受け取れます。経費の中身の考え方は教育訓練経費に何が入って何が入らないかにまとめています。
リーフレットの定義です。
国もしくは地方公共団体、または国から委託を受けた機関が法令に基づいて実施するもの
挙げられている例は大型特殊免許/フォークリフト運転技能講習/介護職員初任者研修です。いわゆる「国家資格」だけではありません。法令に基づいて実施される技能講習や研修が入ります。
短期の技能講習は、教育訓練給付の指定講座になっていないものが多く、まさにこの制度が想定している領域です。運転・建設・介護まわりで数日〜数週間の講習を考えている方は、確認する価値があります。
要件を並べると、こうなります。
必要書類は受給資格者証等/修了証明書/領収書/教育訓練経費等確認書/返還金明細書(該当する場合)/受講指導書です。「受講指導書」があることが、1の順番が要件であることの裏づけになっています。
対象は雇用保険の受給資格者等——つまり離職して受給資格が決まっている人です。在職中に短期の技能講習を受けたい場合は、この制度ではなく教育訓練給付の指定講座を探すか、会社の制度を当たることになります。
逆に、離職して求職活動をしている人にとっては、教育訓練給付より先に検討すべき制度です。ハローワークに行く用事はどのみちあるので、そのときに受講指導まで済ませてしまうのが効率的です。
2025年4月から、自己都合退職の給付制限は教育訓練を受けると解除されます。その対象になる教育訓練の4類型のうち、③が「短期訓練受講費の対象となる教育訓練」です。
つまり短期訓練受講費の要件を満たす講座を受けると、経費の2割が戻るだけでなく、給付制限も外れる可能性があります。解除の起点は受講開始日以降なので、離職後に動くなら早いほど有利です。詳しくは自己都合退職の給付制限は教育訓練で解除されるにまとめました。
ただし短期訓練受講費の側に「待期期間が経過した後に受講を開始したこと」という条件があるので、待期の7日が明けるまでは受講を始められません。この2つの制度を両方狙う場合、日付の組み立てが細かくなります。受給資格決定のときに、ハローワークで両方まとめて相談してください。
一次資料に当たりましたが、次の点は確定できませんでした。推測で埋めていません。
どれも自分のケースで結論が変わる点です。受講を申し込む前に、ハローワークの窓口で確認してください。この制度は、そもそも窓口で受講指導を受けることが要件なので、相談は必ず発生します。